2006年07月15日

台湾高校生との交流〜台日交流嘉年華会

トビラ2005年9月台北市、台湾の高校生と日本の専門学校との交流イベント「台日交流嘉年華会」が行われました。このイベントのために、わたくし諸星と演劇俳優科の学生、卒業生、先生、総勢7名が台湾の橋治高校に3日間滞在しました。この経験は、交流イベントもさることながら、台湾の高校生や先生達との苦楽をともにした心温まる触れ合いに、1年近くたった今でも参加者たちに余韻を残しています。ここではその旅のエピソードをみなさんに紹介いたします。

近くて、近い、行ってみようよ台湾に!
2005年9月23日(金)夜、8時に成田を出発し、4時間後の現地時間11時40分に台北の空港に到着しました。夜も遅かったのですぐタクシーを拾い、予約していた麒麟ホテルに向かいました。4時間あまりのフライトでそれ程長いとは感じませんでしたが、タクシーの窓から見える景色が日本とそれ程変わりがなく、まだ海外に来た、という実感がわいてきません。学生達も車の中ではしゃいでいます。私も多少興奮していたので、ギャグを連発していたのですが、それがウケずに引きっぱなしです。ただ落ちていくだけなので「一人バンジージャンプ(落ちるだけ)」と言ったらそれがウケて、それ以来「一人バンジー」と言われてしまいました。
しかし、台湾の交通事情はすごい、の一言です。ものすごいスピードでどんどん追い抜いてくし、割り込みも多いです。この国で車を運転する自信はないなー、などと思っていると1時間ほどして市街地に入りました。目に入る看板がすべて漢字、マクドナルドも漢字、当たり前なんですがこれでやっと海外に来た!と実感しました。
ホテルに着いたのは12時を回っていてすでに遅い時間だったのですが、明日のリハーサルの打合わせを学生がしたいとのことで、遅い時間まで打ち合わせをしてその日は各自ベットに入りました。

ダンス台湾式歓迎はダンスから!?
橋治高校は演劇、ホテル、観光、服飾、美容などの専門科目を持っている高校です。このイベントが決った時、実習施設として学内にホテル並みの施設、フロント・宿泊室があるとのことなので、この高校に宿泊することになりました。
9月24日(土)午後、麒麟ホテルからタクシーで橋治高校に到着しました。正門を抜け、構内に入ると高校生が教室の窓からみんな注目しています。校舎の入口には青いTシャツ姿の女の子の一団がいます。
そのまま校舎に入ろうとすると、待ってと言われたので、入口の前で待っていると、先ほどの青Tシャツの一団が歓迎のダンスを披露してくれました。曲はヒップホップ調だったと思いますが・・・。
しばし、あっけに取られ、また感激もしました。思わず荷物を忘れてそのままエレベーターに乗込もうとした程です。さて、そのまま宿泊予定の実習フロアにエレベーターで上がっていきます。扉が開くと、そこにはホテルと同じフロントがあり、学生がフロントスタッフのようなユニホームを着て待機していました。

東京世界のホテルが大集合!
宿泊する部屋には各国の都市の名前がついています。確か私達の泊まる部屋は、東京、ロンドン、ニューヨークの3部屋だったと思いますが、それぞれの部屋は各都市のホテルをイメージした部屋になっています。東京はもちろん和室でタタミ、しかしちょっと違うかな?東京風という感じでした。各部屋はもちろん広くて、きれいでゴージャス感があります。私と演劇科の松林先生は最初、ニューヨークをリクエストしたのですが、これはキングサイズのダブルベットで、新婚さんいらっしゃい!な雰囲気です。担当の先生はノープロブレムを連呼しています。さすがにこれはいただけないと思い、学生と交換してロンドンに移りました。こちらはツインの部屋です。交換した学生はさぞ親睦を深められたことでしょう。

学生の実習を兼ねたもてなし
今回この企画は、観光科の実習として1ヶ月前から準備されていたそうです。そのためフロントには24時間体制で学生、教員が待機していました。またイベント以外でも学生の企画として市内観光のツアーがプログラムされていました。事前にもらったスケジュールでは、朝から就寝まで、びっちりスケジュールがつまっていました。私達の担当の先生は、チョー、イーリン先生、沖縄の大学に留学していたらしく日本語が堪能。そして学生のモモちゃん、ほか数名(ちょっと名前忘れました)がぴったりと付いています。近くのコンビニに行くにも引率してくれました。
さて、部屋に荷物を置いてからしばらくした後、リハーサルを行いました。私達は声優のアフレコ実習の紹介と、台湾高校生との合唱「世界で一つだけの花!」でしたが、向こうはカクテルショウ、ヒップホップダンス、ビューティーショウと多彩です。この日は一通りリハーサルが終わると、夕方台湾風シャブシャブ屋に連れて行ってもらいました。
夕食後は、屋台街、夜市の見学が組まれていたのですが、私は疲れが溜まっていたので、一人で足裏マッサージに行きたいと言ったところ、学生が2人付き添ってくれました。学校の近くのマッサージ屋を発見していたので、そこに行って一人で帰ると言ったのですが、学生は予定を変更した私の行動に戸惑ってしまい、マッサージが終わるまで、店の前で待っていてくれました。その学生は明日の朝までフロント当番とのことです。その話を聞いて、申し訳ないと思いました。私は一足早く部屋に戻ったのですが、他のみんなは10時に戻ってきました。地下鉄に乗って移動したとの事です。滞在初日から本当に、すごいです!私は部屋のジャグジーでおぼれそうになっていました。水圧が強いのなんの・・・。

交流会台日交流嘉年華会
9月25日(日)、朝8時30分に朝食が届きました。ライスミルク(米のジュース)と揚げパン入りおにぎり。
でかいおにぎりをパクツクと中から揚げパンが、台湾人が元気なのがわかりました。
さて、今回私達のメンバーですが、留学生の台湾系アメリカ人シュウ、シンペイ、メグミ、マリコ、ヒロミと引率の私と松林先生の7名が日本工学院のメンバーです。今日はイベント当日です。
会場となったのは国賓ホテル、橋治高校の控え室は緊張感がみなぎり、私達も緊張してきました。ステージは午前と午後の2回です。
11時、日本工学院専門学校の声優アフレコショウが始まりました。用意された席は満席です。ステージは好評で、その後に橋治高校のダンス、カクテルショウが続きました。午前中は盛況のうちに無事ステージも終了。ステージ終了後は、工学院生と橋治高校生はすっかり打ち解けていました。片言の日本語を交えての会話ですが、気持ちは伝わるんですね!
そして2時から午後の部。ステージ前にはモモちゃん始め橋治高校生が詰めかけ、「世界で一つだけの花」を歌った時はステージだけでなく、客席の高校生も一緒に歌いだしました。みんな歌詞は適当だったみたいだけど、歌は繋がりますね。ステージ後も余韻は消えず、学生はお互いに話し合っていました。マリコ、メグミ、ヒロミは高校生の人気者になったようです!

101夜を食らおう!土林夜市そして東洋最大のビル、101
夜はまた学生企画によるツアーです。夕方学校を出発して、地下鉄に30分ほど揺られて、土林(シーリン)に到着しました。ここは台北では最大規模の夜市で、駅前からたくさんの人だかり、そしてところ狭しと店がひしめいていました。台湾では、家で食事をせず、夜市で済ますと聞いたことがあります。ここでは、本当にそうだなと感じました。肉まんが10元(34円)、でかいチキンカツが30元(102円)など、安くてうまい物が溢れています。迷子になりそうだったので、1時間後に駅前に集合ということで、各自食いあさりに出かけました。私はチョウ先生、モモちゃんに連れられて屋台のソバや、海鮮炒め物などを食べてみました。最初のチキンカツのボリュウムが大きかったせいか、お勧めがなかなか腹に入りません。でも私と松林先生は笑顔でうまい、を連発しました。はーご馳走様でした!
お腹も一杯になったところで、また地下鉄に乗り、そしてバスに乗り継いで東洋で最大の101ビルに行きました。地上508m、101階、エレベーターであっという間に最上階へ行きました。途中耳がキンキン痛みます。私と松林先生は、ガイドをしてくれている高校生には日本語で話していました。実際通じていたかどうかはわからないのですが、会話している風でした。朝から夜までずっと一緒だったので、気持ちが通じたような気がします。それとチョウ先生も学校に泊り込みで私達に付き合っていたので、その気苦労は計り知れません。台湾の夜景を見ながら、彼女らのホスピタリティーに感謝していました。それにしても、台北は大都会です・・・。
101を出たのは夜の10時。門限は10時30分、あわててバスに乗り込み学校に戻りました。でも着いたのは11時近かったと思います。

全校集会
9月26日(月)、いよいよ台湾滞在最終日となりました。朝8時30分に、橋治高校の全校朝礼で目が覚めました。窓から校庭を眺めると、朝礼台の前に学生が整列しています。私と松林先生には懐かしい光景でした。台湾の高校生はとても人懐こく、そして元気、というのが私達の感想でした。昨夜は私達の部屋ロンドンに、シュウとシンペイが来ていて、今回のツアーについて話し合いました。私達のために、朝から夜までプランを用意し、どこに行くにもいつも付き添ってくれる。果たして彼らが日本に来たときに、同じことが出来るだろうか・・・と。
午前中は、観光科のクラスに行き、声優のアフレコを披露し、高校生の質問に答えていました。昨日のステージもこの時間もシュウが通訳をしてくれていました。高校生から「どうやったら日本に行けますか?」と質問されたとき、「チケットを買ってください!」と言ったら、どっとウケて、次々に質問が来るようになりました。質問が多いので頭がこんがらがる、とシュウは言ってました。
お昼は観光客に人気の飲茶レストランに案内されました。そして午後はまた学生企画のツアーです。

メンバー台湾の夕日
地下鉄で40分以上乗った先の最終駅、淡水に私達は到着しました。ここは海に面したこの町はとてもきれいで、日本でいうと江ノ島のようなところでしょうか。海に向かう道沿いにはいろんなお店がびっちり並んでいます。都会化されていない町並みは、これが台湾ですよ、とチョウ先生が教えてくれました。色とりどりのお寺の脇のお土産屋では、目の釣りあがったドラえもんもどきのキーホルダーが売っていて、これには松林先生が飛びつきました。学生はモモちゃん達とプリクラを撮っていて、すっかり仲良しになっていました。
淡水さて今回の企画の目玉は、遊覧船で淡水の湾を、夕日を見ながら周るというもので、5時ぐらいが調度いいとのことなので、それまでブラブラしていたのですが、あいにく空は曇り空。私達は翌朝6時に空港に行かなければならないので、本当は早く帰りたかったのですが、ここまでセッティングしてくれているのを変更するのは申し訳ないと思い、5時から遊覧船に乗り込みました。
潮風に吹かれると、みんなそれぞれ思い思いにふけっていました。実際、朝8時30分から夜10時過ぎまでびっしり詰まっているスケジュールを3日間過ごしているので、誰もが疲れていました。しかし、心の中では満足していたと思います。そのとき、雲の合間から沈んでいく夕日が見え始めました。本当に最後の日を締めくくる夕日でした・・・。

チョウ先生長い、長い3日間!
その夜、8時過ぎに学校に戻りました。観光科の学生や先生、今回の交流イベントに係わった先生、学生が私達の帰りを待っていてくれました。お別れに、学生一人ずつお礼の挨拶をしました。最初はシンペイから、しかし中々言葉が出ないみたいです。メグミ、マリコ、ヒロミの3人は下を向いています。みんな目が真っ赤になっていました。台湾の高校生は声を上げて泣いています。最後に私が締めくくりです。熱いものがぐっと来ました。
「本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。」
その夜は、松林先生としみじみと話しました。たった3日間の滞在が、それ以上ここに居たかのような感じです。それ程、私達はこの台湾に馴染んでいました。
9月27日(火)、朝5時30分に起床。6時には学校正門にタクシーを呼んでいます。朝早かったのですが、チョウ先生が私達を見送りに来ていました。
こうして私達の台湾ツアーが終了しました。この経験は参加者全員に、得がたい何かを残したと思います。そして、私達を通して台湾の高校生達に、日本の何かを伝えられていれば、と思います。








Posted by n-86220279 at 10:02